「金融商品にだまされるな!」を拝読
今日の午後に名古屋駅の地下、テルミナの三省堂書店へ行ってみたら目立つようにダイヤモンド社の新しい金融商品関係の本が積まれていました。
その書籍のタイトルは「金融商品にだまされるな!」(ISBN:978-4478003220)。著者は経済学者の吉本佳生氏。2005年に「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」(ISBN:978-4334033064、光文社新書)を刊行し、私にとっては金融商品の研究に目覚めるきっかけをつくってくれた方といえます。
タイトルや表紙の仕様からして、今年4月刊行の竹川美奈子氏の「投資信託にだまされるな!」(ISBN:978-4478000243)がヒットしたことから、それを投信以外の商品にも対象を広げて続編という形で出したものだろうと推測できましたが、同時に「金融広告を読め」の改訂をも兼ねているのだろうと思い、その場にてすぐ購入を決断いたしました。
読んでみて、概ね予想は的中。仕組預金を「金融広告を読め」などで痛烈に批判した吉本氏でしたが、今回は「週刊ダイヤモンド」の2007年6月16日号に収録された記事を一部改訂収録する形で、「金利がステップアップする形ないしボーナス金利がつく形の仕組預金」、変額年金保険、仕組債などを分析・批判しています。件の週刊ダイヤモンドの記事では、投資信託の部分に関しては「知らない人だけが損をする投資信託の罠」(ISBN:978-4478002360)に収録されましたが、仕組預金の部分は書籍化されることがありませんでしたので、この書籍の続編も兼ねているようにも一部見えました。
いずれにせよ、「円安や原油高はインフレに結びつく」という意見に対して前作より徹底して論破したり、「オプション取引を活用した金融商品」のからくりについて解説するなど、見所はいろいろあるように思えます。一度目を通すことをお勧めします。
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コメント
吉本さんは今回も痛烈に仕組債を批判しており、読み応えのある書籍でしたね。
私はFXをポートフォリオの一部に取り入れているので、「円相場の性質」の章が、かなり興味深かったです。高金利であるということは高インフレ率であり、いずれ通貨安の危険性があると解釈しました。
投稿: エッジ | 2007年11月14日 (水) 07時01分
エッジさん、コメント有難うございます。
キャリートレードをしている海外の金融機関、それに高金利を目的に外国為替証拠金取引などをしている人には、警告を発する内容にも見えましたね。「為替は金利で相殺されるため、日本債券と海外債券の期待リターンは本来同一である」ということも、示しているように見えます。
投稿: 新幹線 | 2007年11月14日 (水) 23時20分