「だまされない!投資信託の選び方」は濃縮品
今日は大学の始業日で、久しぶりに講義を聞いてまいりましたが、その帰りに名古屋駅へ立ち寄り、三省堂書店で早速今日販売が開始された宝島社の「だまされない!投資信託の選び方」(ISBN-13:978-4796659314)を購入致しました。
ムックという形態をとっているだけあり、雑誌と投資本の両方のコーナーで見つけることが出来ましたが、始めてみたときには「これか!」と心底感嘆を禁じえませんでした。
さて肝心の内容ですが、まず書店で表紙を見たときは、そこに「投資バカにつける薬」などを書いた楽天証券所属で辛口評論家の山崎元さん、インデックス投信の普及を目的に活動しているバンガード社の駐日代表者加藤隆さん、マネックスで「内藤忍の資産設計塾」の執筆など投資啓蒙活動をなされている内藤忍さん、海外ETFの普及活動をなされているカン・チュンドさんの写真が掲載され、更にはいつもお世話になっている水瀬さん、NightWalkerさん、rennyさんが対談なされている姿を記したイラストが載っており、これだけで「内容に期待が持てそうだ」と言う印象を受けました。
次、手に取ったときは、「予想より薄い」と言う印象を受けました。これは、昨日「ZAi」を購入したことの反動みたいなものでしたが、電車の中で内容を見ると「まさにインデックス投資の全てが濃縮して詰まっている」とすぐ印象が変わり、前評判どおり、いやそれ以上の内容であると確信するに至りました。このムックを企画した人の心意気を実感したほどです。
書籍の構成は、以下のようなものでした。
- part1 ここがおかしい!日本の投信
まず山崎さんが登場し、日本における投信の問題点全般を指摘なされた後、定期分配型・バランス型・ファンドオブファンズ型などといった「典型的」な日本の個々投信の問題点を指摘していく・・・といった内容です。
週刊ダイヤモンドの「『投信』の罠」などと同様の手法ですが、厳しく切り込む姿勢は「ただの投資本」ではないという印象を強めるのにつながっていると思いました。
- part2 賢者が選ぶインデックス投信
冒頭で投資信託の基本的な仕組みを抑えた後、加藤さんによってバンガード社の思想・活動が述べられ、続いて5段階に分けて「インデックス投信」が良い理由、それを活用する際の3つの鉄則、確定拠出型年金についての説明、そしてモーニングスターのファンド検索法を示した後、「良いインデックスファンド」が具体的な商品名を挙げて(バランスファンドも一部混ざるが)述べられていました。
更に日本債券分野の代替としての個人向け国債の活用法、そしてセゾン投信の中野さんによる同社のバランスファンドに関するコメント、さわかみファンドの分析が付随しています。
- part3 一歩先行くETF活用
カン・チュンドさんが冒頭で「2007年はETF元年」として、日本における海外ETFの概観・昨今の状況を述べられており、続いてETFの仕組み、楽天証券による海外ETF動向、そして具体的な(日本を含む)ETFの紹介がなされています。
この書籍の出る直前に発表された情報によれば、海外ETFの種類はまたしても拡充されるようですから、楽天やイートレードに対する期待感がますます高まるのでは、と思いました。
- part4 着実に増える資産設計
マネックスの内藤さんとセゾンの中野さんによるセミナー(7月、千代田区)の様子を記した後、内藤さんにより「資産設計を行う上で大事なこと」が4段階に分けて述べられ、そしてお待ちかねの水瀬さん・NightWalkerさん・rennyさんによる対談、投資に関する良本の紹介で締められています。
「ZAi」を読んだあとだったので、水瀬さんのイラストには「大分予想と違う(もちろん、ZAiの方が違うんでしょうけれど・・・)」という印象を受けましたが、三人ともにそれぞれ素晴らしい事を述べられていたと思いました。
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コメント
セゾン投信を買おうかと半年悩んでいます。先日の株暴落が頭をよぎって、申込書が投函できません。投信は10年20年先を見ているので、ここ何ヶ月のことで、ジタバタしても仕方ないとは思うのですが・・・大事なお金なのでつい、慎重になってしまいます。でもお金、増やしたいなぁ。
投稿: 黄色いうさぎ | 2007年9月25日 (火) 08時21分
黄色いうさぎさん、コメントありがとうございます。
株暴落で躊躇するようでしたら、投信を買うのは控えたほうがいいのではないかと思います。向き不向きというのはどうしてもありますので。
投稿: 新幹線 | 2007年9月26日 (水) 10時24分