国債破綻本
確か日本経済が低迷していた2000~2002年ごろにも、同じような本が書店の売り場を占めていたような覚えがありますが、昨今になってまた「(日本の)国債は買うな」という書籍がでているようです。武田邦彦氏の「国債は買ってはいけない!」(ISBN:978-4492732304)や、水沢渓氏の「やっぱりあぶない、個人向け国債」(ISBN:978-4883203918) などです。
私は詳しく内容を見ていないので、その内容を評価することは出来ないのですが、前者の本を書いた方は環境問題を取り上げた著者として知られている方ですが、今回の書籍に関してはAmazonで一部の方から「初歩的な間違いが多い」などと酷評がついているようです。
また後者の方は以前、「やっぱりあぶない、投資信託」(ISBN:978-4883203680)という投信批判本を出していましたが、その内容は私見では偏見と無知の塊で、やはりAmazonにおいて酷評が付けられていました。
日本の国債は確かに先進国としては低い格付けがついており、さらにその負債総額も結構問題ある水準になっているのも確かです。しかし私見では、「こういった本の内容を安易に信じ込む事の方がいっそう危険」ではないか、と感じるところがあります。
私がオススメする著作の一つである「金融広告を読め」(ISBN:978-4334033064)において著者の吉本佳生氏は、『日本政府の財政破綻の危険性について警告する人の中には、それで不安を煽って、じつはみなさんの資産を騙し取ろうとしている人もいるようです』と記されていましたが、ここまでひどくは無いにせよ、「読者の『不安を煽る』ためだけに著者が本を書いている所はないだろうか」と、こういった本を読むときには考えている必要があると思わされました。
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コメント
私は、読書が好きですが、いわゆる国債破綻本と
いうのは、読んだことがありませんし、これから
も読まないと思います。
が、たとえどんなに有利な投資商品であったと
しても、国債を買う気は、ないです。
というのも、国債を買うということは、間接的
に、将来に対して(例えば、新幹線さんの世代に)
過去のツケを先送りすることに加担することに
なると、思っているからです。
これは、私のプチ投資家としてのモラル and
ポリシーです。
投稿: ひろん | 2007年7月21日 (土) 23時29分
ひろんさん、コメントありがとうございます。
国債に関する考え方は、人それぞれあると思います。しかし私は国債を購入しています。
理由は金融商品としての優劣のみならず、昨今の日本は海外に国債を引き受けてもらうための活動を行っている、と聞いたことがあるからです。
日本の国債がつぶれない大きな理由は、それが全て自国の通貨である円建てであり、更に海外から借金をしていないからだと思っています。アルゼンチンもロシアも、海外から借金をしていたために外貨が尽き、破綻に至ったのではないでしょうか。日本もそうなってほしくは無いからこそ、買い支えすべきだと感じています。
投稿: 新幹線 | 2007年7月22日 (日) 09時49分
いろいろな、見解があると思います。
有効に使ってくれるのならば、いいと思いますが、
私には、有効に使っているようには思えません。
誰も通らないような農道、造っただけで維持費の
ことを考えていないような箱もの、ろくな仕事を
してない公務員の給料などに、バラマキ、浪費
されるのは、ゴメンです。
私は、日本の風景、風土は好きです。
が、日本政府が行っている給与所得者にたいする
狼藉には、賛同できません。なので、買い支える
気は、ないです。
投稿: ひろん | 2007年7月22日 (日) 16時08分
「国債は買ってはいけない!」
コレこれから読もうとしている本です(笑)評判は悪いので楽しみにしている一冊ですよ。
書く気になれたらレビューしようと思います。
投稿: とよぴ~ | 2007年7月23日 (月) 06時34分
とよぴ~さん。コメントありがとうございます。
レビューのほう、心待ちにしております。
投稿: 新幹線 | 2007年7月23日 (月) 10時12分
とよぴ~さん。
その書籍の最後のオチ(国債の代わりの投資先)はかなり笑えるはずです。最後の数ページだけは読むべきかと。というか私はオチから読んでしまい、その後のページがマトモに読めませんでした。
やっぱり最後に信じられるのは物々交換なんだな、と =)。
投稿: Mc.N | 2007年7月24日 (火) 00時58分
ごめんなさい。
上記の書籍は「やっぱりあぶない、個人向け国債」の方です。「国債は買ってはいけない!」ではありませんでした。
投稿: Mc.N | 2007年7月24日 (火) 01時00分
以下が、秀逸ですよ。
http://wanderer.exblog.jp/5925101
財政破綻しようが、世界同時株安になろうが
(あ、これはチャーンスだった :)
個人が、それ相応の実力を持っていればいいのです。
日頃の勉強を怠らないようにしましょう。
投稿: ひろん | 2007年7月28日 (土) 07時52分
ひろんさん、コメントありがとうございます。
確かに素晴らしい内容の記事だと思いました。キャッシュフローの確保は大事ですね。
投稿: 新幹線 | 2007年7月28日 (土) 15時29分