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世界株ファンドの検討 4

さて、世界株のファンド検討の決着を付けたいと思います。

前回までで、投信の保有コスト研究はそう容易にできるものではないということを示しました。

そのため、最終的にはどのような基準で選べば良いのか?ということについて考える必要があります。

そして、私なりの結論を出しました。その方法は結構単純で、中長期のリターンを比較するというものです。インデックスファンドの成績には、アクティブファンドよりも明確にコスト差の影響が現われるのではないか・・・と考えたからでした。

そして、前回検討候補としてあげた、ステートストリート海外株式インデックスファンド(SS海外株式)と年金積立インデックスファンド海外株式(年金海外株式)、PRU海外株式マーケット・パフォーマー(PRU海外株式)3種ファンドについて、実際に比較してみました。2の所で用いた数字を使うと、以下のようになります。

SS海外株式 - 1年実績:34.3% 3年実績:74.5% 5年実績:67.8%

年金海外株式 - 1年実績:33.7% 3年実績:73.3% 5年実績:64.0%

PRU海外株式 - 1年実績:33.6% 3年実績:72.0% 5年実績:67.8%

結果はご覧の通りで、PRU海外株式の5年実績を除き、概ね3の所で上げた保管管理料などを含めた実績保有コストの低い順に、運用実績が並びました。

これは過去のことで、将来この通りになると保証は出来ませんが、現在のところノーロードで買える海外株式ファンドでは、ステートストリート海外株式インデックスファンドを最有力候補にせざる得ないようです。信託財産留保額がPRUと比較して0.1%高いというデメリットもありますが、これは5年の保有では年あたり0.02%程度の差となるため、大きな問題とは捉えていません。

そのため私は、投信SCにてこのファンドを購入することに致しました。このファンドは投信SCのほか、カブドットコム証券でもノーロードの円単位で購入できるようなので、もし投信SCが無くなったらそちらに積立を移行することもできます。

(参考)

なおノーロードでないものも含めると、ソニー銀行にて販売手数料1.05%で販売している有力な商品として、中央三井外国株式インデックスファンドを上げることが出来ると思います。

この商品は信託報酬が年0.84%と低い他、保管管理料・有価証券取引税・委託手数料といった他のコストを含めても、年0.9%程度しか前年実績ではコストがかかっていないようです。

更に実績を先ほどと同じように比較してみると、

中央海外株式 - 1年実績:34.4% 3年実績:75.1% 5年実績:69.9%

と、前述した3商品を全ての比較期間で上回る成績を残しています。

私は将来、海外ETFに乗り換えることを可能性として残しているためこのSS海外株式を選択いたしましたが、それを検討していない場合はこのファンドを購入するのが最適だと思われます(なお、母の海外株式におけるメインファンドがこれになっています)。

同じことは、相互リンクさせていただいているNightWalkerさんの記事(http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/03/post_562c.html)でも述べられているので、参考いただければと思います。

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コメント

ステートストリートはトラッキングエラーで見た場合も優秀なようですね。ここのところ分配金を多く出す傾向がある様ですが、乗り換え前提なら気にならないですし。

投稿: じゅん@ | 2007年6月 1日 (金) 21時45分

ステートストリートはいいファンドですね。
私も海外ETFがなければこのファンドを選ぶと思います。

投稿: うんぼぼ | 2007年6月 1日 (金) 21時58分

ステートストリート海外株式インデックスファンドは楽天証券でもノーロードで購入できませんか?

投稿: ツォーン | 2007年6月 2日 (土) 02時36分

皆様コメント有難うございます。

>じゅん@さん、うんぼぼさん
昨今の200円分配は私にとっても気になるところですが、海外ETFへの中長期での乗換えを考慮すれば、これが最適な選択ではないかと感じています。

>ツォーンさん
「ノーロードの円単位で購入できる」となっている点にご注意ください。楽天は購入が円単位ではなく、10,000口単位になっているので外しています。

投稿: 新幹線 | 2007年6月 2日 (土) 09時45分

ご指摘ありがとうございます。
勘違いしておりました。

投稿: ツォーン | 2007年6月 2日 (土) 14時28分

 記事でのご紹介ありがとうございます。
 セゾン+内外の株式インデックスという積立作戦。いいですね。

>中長期のリターンを比較する
 正解ではないでしょうか?

>母の海外株式におけるメインファンド
 私も、中央三井外国株式インデックスファンドは、良い選択だと思っています。ETFもいいですけれど、やっぱり、1万円から買えるファンドは、いいですよね。

投稿: NightWalker | 2007年6月 3日 (日) 14時02分

NightWalkerさん、コメント有難うございます。

債券投資比率を抑えつつ外国株比率を高める方法として、セゾン+株ファンドはもう少し受け入れられてもいいのではないか、と感じています。

投稿: 新幹線 | 2007年6月 3日 (日) 19時03分

新幹線さん、はじめまして。

投資歴半年の者です。
私も、外国株式のインデックスファンドで悩んでいます。
いろんなところで書かれていた、信託報酬以外のコストについては、大変ためになりました。
これらのコストは毎年変わるとのことなので、いろんなファンドの過去3年分ぐらいについて、運用報告書で調べてみたのですが、運用会社によって情報開示にとんでもなく差があるのにびっくりしました。

HPに過去3年分ぐらいの運用報告書を開示しているところから、運用報告書は投資信託を買ってくれている人にしか配布していないところまで。
中でもびっくりしたのは、某有名どころのノーロードインデックスファンドですが、電話でコストについて問い合わせたところ、
「そのような高度な内容については、お調べするのに相当の時間を要しますので、回答は困難です。
また、弊社は個人のお客様からのそのようなお問い合わせには、原則回答を差し控えております。」
とのこと。運用報告書を見るのが、そんなに高度な内容とは思えないんだけど・・・

こういう目にあうと、やっぱり購買意欲は消沈します。
そんなわけで、コストを調べたところ、コスト以外のことでファンドを絞ることができました(^^;;

投稿: くっく | 2007年6月 5日 (火) 00時59分

くっくさん

会社として答えるとなると、ちょっとしたことでも責任やら公開していいものなのかどうかという話にもなってきます。
もっとシンプルに「過去○期分の運用報告書が欲しい」といった方が対応しやすいでしょう。

あと、目論見書にも過去数期分くらいの財務諸表が含まれているので、ある程度コストを概算できます。
損益計算書の「営業費用」を貸借対照表の純資産額で割ったものがいわゆる「エクスペンス・レシオ」に当たると思います。(たぶん)

投稿: アルビレオ | 2007年6月 5日 (火) 02時54分

>もっとシンプルに「過去○期分の運用報告書が欲しい」といった方が対応しやすいでしょう。

そうですね。そう思って、まずは「運用報告書をもらえますか?」と尋ねたところ、「運用報告書はファンドを購入いただいている方のみのサービスとさせていただいてます。」との回答だったので、せめて電話で教えていただけないかとお願いしたところ、↑の回答だった次第です。

会社ごとに情報開示に対する考え方が違うのも当然ですし、「教えられない」という会社があっても、それは仕方がないことだと思ってます。

ただ、他にも2社ほどに同じ問い合わせをしたところ、どちらも快く教えていただけたので、その差を感じてしまいました。

まぁ、ファンドの運用とは別問題ですけどね(^^)

投稿: くっく | 2007年6月 5日 (火) 21時41分

くっくさん、アルビレオさん、コメント有難うございます。

>くっくさん

お役に立つことがありまして、良かったと思います。

>アルビレオさん

読者の方へ、いつもの適切なご返答有難うございました。

投稿: 新幹線 | 2007年6月 5日 (火) 23時12分

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