日本株ファンドの検討 2
さて前回の続きで、いよいよ各ファンドの検討に入りたいと思います。
現在私が開設の手続きに入っている、ないしは開設しようかなと考えている証券会社で取り扱っている、「販売手数料がかからない(ノーロードの)TOPIXに連動する投資信託」を上げると、以下のようになります。
PRU国内株式マーケット・パフォーマー (イーバンク銀行、投信スーパーセンター) 年平均運用実績1年-0.5%、3年13.5% 信託報酬0.6825% 信託財産留保額0.2%
ニッセイTOPIXオープン(ジョインベスト証券、投信スーパーセンター) 年平均運用実績1年0.2%、3年14.0% 信託報酬0.525%、信託財産留保額0.3%
トピックスオープン(イーバンク銀行、楽天証券) 年平均運用実績1年-0.4%、3年13.4% 信託報酬0.651% 信託財産留保額0%
インデックスファンドTSP(マネックス証券) 年平均運用実績1年-0.3%、3年13.5% 信託報酬0.546% 信託財産留保額0%
トピックスインデックスファンド(楽天証券) 年平均運用実績1年-0.3%、3年13.3% 信託報酬0.651% 信託財産留保額0%
富士TOPIXオープン(投信スーパーセンター) 年平均運用実績1年0.1%、3年13.8% 信託報酬0.6825% 信託財産留保額0%
東京海上日本株TOPIXファンド(投信スーパーセンター) 年平均運用実績1年-0.1%、3年13.7% 信託報酬0.63% 信託財産留保額0%
こうして見ると、運用実績と信託報酬を見る限りは「ニッセイTOPIXオープン」が若干映えていることになります(なお信託報酬以外に、管理報酬など隠れコストがかかっている投信は結構存在します。また分配金が多い投信では、その課税コストも問題になります)。
ではニッセイのを用いればいいかというと、そう簡単には問屋が卸しません。これは信託財産留保額が0.3%かかるという問題点を有していて、短期でETFに乗り換えるとなると、その部分がマイナス要素になります。月数万積みたてるのであれば、ETFへの乗換えを考慮すると、このファンドは避けるのがセオリーといえそうです。
しかし月0.5万程度という積立額であれば、ETFへ乗り換えるまでの期間は2年を越えるため、その平均保有期間は1年強と、信託財産留保額の損失を補うものになるともいえなくありません。そのため、ニッセイにしようかどうかとずいぶん悩んだりもしました。
ずいぶん悩んだ末、「ニッセイTOPIXオープン」と「インデックスファンドTSP」を天秤に賭けるところまで持ってきました。
これを選んだ理由は、インデックスファンドの性質というよりはむしろ、ETFへ乗り継ぐ時の手数料の問題です。
前者を取り扱うジョインベスト証券では、現在の価格帯でETFを最小単位購入する場合の手数料が200円となり、後者を取り扱うマネックス証券では、携帯を用いた場合だと大体200円弱で収まります。いずれも最低水準といえるものとなっています。
そして最終判断を下したのですが、結局は「インデックスファンドTSP」を選ぶことにしました。
前述したとおり、厳密にコストや実績を元に計算すると若干不利になるわけですが、最後に肩を押したのは、「この会社でETFへの乗換えを済ませられる」と共に、「セゾンと日本・世界インデックスファンドのほか、月1万円分ポートフォリオの状況に応じて投資信託を購入するため、この証券会社で扱っている別の投信(バンガード社のものなど、心惹かれるものがいくつかありました)を購入することも勘案すると、手間が省ける」というものでした。
総じて見ると、必ずしも賢明ではない判断を下したことに私はなります。
しかし、投信積立の研究では、単なるコストや実績以外にも見るべき要素があるということを、この一件で考えさせられました。そういうことを勘案すると、いい勉強になったとは思います。
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コメント
ニッセイTOPIXオープンは「投資信託にだまされるな!」でも避けられていたファンドですね
あの本では投信スーパーセンターが今後どうなるか不安だからと言った結論でしたが・・・。
リレーされるファンドなら信託財産留保額なしのほうがたしかに賢いですね?
リレーされた「資金の最後の居場所」なら信託財産留保額ありのほうが賢いのかな?
投稿: とよぴ~ | 2007年5月24日 (木) 06時29分
賢明な判断のように僕には写ります。厳密にどう計算したか存じませんが、3年弱に一度ファンドを売るのなら、毎年0.02%多めに払ってでも、0.3%の留保額を避けたほうがいいのではないのでしょうか。販売手数料の差が大きいとか、何か見落としていたらすみません。
投稿: 与六 | 2007年5月24日 (木) 07時06分
はじめまして。
20歳なのにすごい知識ですね。
ところで、TOPIX ETFをイートレード証券の単元未満株(S株)で買うのもありだと思います。
売買委託手数料は株式約定代金×0.6%(税込0.63%)(最低手数料なし)
ETF1株の購入なら1,765円+手数料11円で投資できるはずです。
投稿: 寺山雄一郎 | 2007年5月24日 (木) 08時27分
皆様コメントありがとうございます。
>とよぴ~さん
投信スーパーセンターですが、私は口座を開いて活用するつもりです。将来のことは確かにわかりませんが、水瀬さんの経緯とかを見てもわかるとおり、「どこに行ったところで、絶対安定なんてことはない」と思います。そのため、その時の最適を追求していく投資方針に致しました。
>与六さん
上記のとおり、厳密には計算していません。最終的には、「マネックス証券のほうに引かれる」ということだけで結論を下しています。もちろん、貸株があるといった理由もあるのですが…。
>寺山雄一郎さん
画期的なアイデア…といいたいところですが、現在のところ、単元未満株でETFは取り扱われていないようです。あるとすれば、マネックスのミニ株でしょうか。
投稿: 新幹線 | 2007年5月24日 (木) 10時40分